レベッカ

連続投稿失礼いたします。椿でございます。

映画の次は読書です。

今回はダフネ・デュ・モーリア著の『レベッカ』でございます。

バンドのレベッカとは一切関係はございませんので悪しからず。

レベッカ (上巻) (新潮文庫)

レベッカ (上巻) (新潮文庫)

 

 

あらすじ

海難事故で妻を亡くした貴族のマキシムに出会い、後妻に迎えられたわたし。
だが彼の優雅な邸宅マンダレーには、美貌の先妻レベッカの存在感が色濃く遺されていた。彼女を慕う家政婦頭には敵意の視線を向けられ、わたしは不安と嫉妬に苛まれるようになり…
Amazonから引用)

 


以前このブログでも紹介した『マーチ博士の四人の息子』もそうですが精神的にジワジワくる小説でした。
マーチ博士に出てくるのは見えないけど確かに存在する殺人鬼でしたが 、このタイトルにもなっている“レベッカ”という人物は殺人鬼ではない上に死んで最早この世には存在しない筈なのに皆の心を支配する魔性の貴婦人。多くの人々には魅力的で理想的な完璧な淑女、夫には憎しみ、愛人には快楽、自分付きの家政婦には盲信的な忠誠心。
会ったこともない“わたし”ですら嫉妬や恐怖心を抱くといった支配の形が異なるのもポイント。殺人鬼じゃないのに殺人鬼より質が悪い貴婦人である。

レベッカ以外にもデンヴァース夫人が怖かったです。ジワジワと“わたし”を追い詰める様が恐ろしかったです。この小説、もしくは映画を知っている人にそう話すと結構共感していただきました。本当に怖い。
“全ての男を見下していた(家政婦談)魔性の貴婦人と主人への盲目的な愛情にも似た忠誠心を引き摺る家政婦”という見方によればマニアックな百合の要素があると思った私は重度のオタク且つカップリング中毒だと感じ、反省しました。と言ってもレベッカは男だけじゃなく、誰にも心を許さず全ての人間を見下していた様に思えます
が。(どうでもいいけど、今オタクで変換したら変換候補にオタク狩りが出てきた。オタク狩りって何ぞ?)
デンヴァース夫人はレベッカとは異なるタイプの“わたし”を嫌っていたけど、マキシムが連れて来た女性がレベッカと似た様な人物だったら、夫人はどう感じたのだろうかと思いました。また、デンヴァース夫人が“わたし”をレベッカの様な貴婦人、つまり自分好みの女主人を作り上げてたらどうなっていたかとも思いました。想像の種は広がる。