散歩するdunkirk:散歩する侵略者篇

どうも、椿でございます。

先日、映画『散歩する侵略者』と『ダンケルク』を観ました。どちらも素晴らしかったです。特にダンケルクが凄かったです。 ここに感想を書いて少しでも萌えを消化しようと思います。

まず最初は『散歩する侵略者』から。

 

 

 

  • あらすじ
    数日間行方不明だった夫・真治がまるで別人のようになって帰ってきた鳴海。
    一家惨殺事件の取材中に出会った不思議な少年天野に話しかけられ、事件の鍵を握る少女立花あきらを探すことになるジャーナリスト桜井。
    真治も天野も立花あきらも、みんな「自分は地球を侵略しに来た宇宙人だ」と言う。
    別人の様に豹変する妹や刑事、廃人のようになった天野の両親…。鳴海と桜井はそれぞれ奇妙な出来事に巻き込まれて行く。
  • 何者にもなれなかった矢口蘭堂
    ジャーナリスト桜井は、演じた長谷川博己の『シン・ゴジラ』で彼が演じた矢口蘭堂に通ずる役所だったなと思いました。政治家でもあらず、侵略者を追い払う術もなく、興味から同行し続けた侵略者(天野)に対する愛着から彼を受け入れた矢口蘭堂といった風情を感じました。途中で演説を始めたからか余計にそう思ったのかもしれません。でも『シン・ゴジラ』を観ていたお陰でたられば的な長谷川博己が観れて個人的には美味しかったです。
    この映画では宇宙人たちをガイドする役割になってしまった長谷川博己長澤まさみ。この侵略される側のふたりが対照的なことも面白かったです。
  • キリストの愛と鳴海の愛の違い。
    長澤まさみ演ずる加瀬鳴海は当初、別人のように変わった夫に対する苛々からヒステリー気味に接します。それが段々と夫を受け入れていく姿にリアリティがあったように感じました。鳴海が作中で「期待して損した」って言うんですけど、そこが宇宙人になった夫を受け入れようとしている感じがあって好きです。
    非現実的な話の中にあるリアリティを違和感なく演じる長澤まさみは凄いと思います。結構長澤まさみ好きなんですが、ひどい話でお芝居よりも顔が好きだったんのかな…? と考えていました。それがここ数年で変わってきました。『潔く柔く』の頃からお芝居も好きだと思うようになりました。高橋一生と共演する『嘘を愛する女』も楽しみにしています。
    松田龍平演ずる加瀬真治は最初目が死んでいるんです。観る前から宇宙人っぽい俳優だとは思ってはいましたが、本当に適任な俳優さんだと感じました。
    それが地球人から”概念”を奪って行く毎に、話が進んで行く毎に目がきらきらしてくる。面白いです。
    教会に立ち寄った鳴海と真治。そこで真治は“愛の概念”を知ろうとする。そこで東出昌大演じる神父から”キリストが訓える愛”を教わる。けど、キリストの訓えにある愛はいまいちピンと来なかったらしく神父をスルー。最終的に鳴海の”愛の概念”を奪う。ここも面白かった。
    多分”概念”としては神父の話す”キリストの愛”の方が求めているものに近いのでは? と思います。キリストが定めた訓えだし。でも奪ったのは妻の鳴海からだった。それが彼の中でしっくり来たのは元の真治にあったものであり、鳴海に接した宇宙人の真治の中にも生じつつあったものと合致したんだろうなと考えると面白かったです。宇宙人本人にしっくりこないとダメなんだなと。鳴海の妹から概念を奪った流れで分かっていたはずだけど「分かんないけど、取り敢えず奪っておこう」とはならないんだなぁ、と改めて実感しました。
    最後の感情を持った宇宙人真治と感情を失った地球人鳴海の姿が印象的でした。最初の鳴海と真治のシーンとの対比になっていたと思います。
  • その他
    宇宙人3人が三者三様で面白かったです。宇宙人天野くんは飄々とし過ぎて彼が作中で一番謎でした。多分彼も桜井への愛着はあっただろうなとは思います。
    もうひとりの宇宙人立花あきらは、がんがん侵略するぜっ! って感じで一番私たちが想定しうる宇宙人だったと思います。
    厳密にするとジャンルは違うのかもしれないけど、こういうSF映画をもっと日本でも作って良いのにと思いました。特別SF映画が好きってわけじゃないけど、ハリウッドのは沢山観かけるけど日本には少ないから。もっと日本独特のSF映画が出来ることを楽しみにしていたりラジバンダリ。

雑に思ったことをばしばしっと書いたものなので、お粗末な感じで申しないです。
んだば、こんな感じで『ダンケルク』に続きます。