百四十物語集・壱(再掲)

引越し作業です。こちらは加筆修正なしです。

  • twitterにて制作した140字以内の詩のような短編小説を転記したもの。
    収録作品
    ・愛の言葉
    ・想いの前では天秤も無力
    ・始まりの感情
    ・愛の定義
    ・時間よ止まれ、お前は美しい
    ・吸血鬼は棺の中で眠る(奇人変人シリーズ)
    (当時のまえがき)

 

 

愛の言葉
あの人は愛を信じないと言った。だから私も愛を信じないことにした。あの人を愛しているから。そうしたら別の人がそれは間違いだと言った。けれど私はその言葉を信じず、せせら笑いをしてやった。だって今の私はもう愛を信じないのだから。私はその人の言葉に愛を感じたのだ。

想いの前では天秤も無力
 僕の心臓と君の愛。二つを天秤にかけたら、君の愛の方が重かった。只それだけの話だったんだ。だけど、さよなら君の愛。僕はもう君に心臓を渡せない。

始まりの感情
「生きていることも死んでることも、あんまり変わらないんじゃないだろうかと思うんだ」 王子は寂しそうに呟いた。少なくとも白雪姫にはそう思えた。白雪姫は人が怖かった。王子も怖かった。でも今は何故だか怖いという感情が浮かばなくて、白雪姫は不思議に思った。
 
愛の定義
誰かが言った。私の恋は打算に満ちていて恋ではないと。では今私が抱えるあの人へのこの気持ちは、この想いは何だと言うのだろうか? 私のこの気持ちは恋だ。愛だ。誰の物でもない。誰かに定義づけられる筋合いなどない。私はあの人に恋をしている。

時間よ止まれ、お前は美しい
いつか人は消えていく。大きな時間の中で抗う事など出来ずに消えていく。あの人も彼女も、そして私も。それでも人は抗う。大きな時間のうねりの中で抗う。そこに善悪は存在しない。そこにあるのは執着だけ。それは何とも愚か。だけど、時間はこう言った。「とても美しい」と。

吸血鬼は棺の中で眠る
羊「繪漣。僕、吸血鬼になりたい」
繪漣「棺桶の中で眠ってれば? 」
羊「なるほど、それは素晴らしい!! さすが繪漣だ! よし、早速棺桶を買いに行こう。でも棺桶って何処で売ってるんだ? 」
繪漣「葬儀屋とかじゃない? 」
綾小路「アンタら、それ本気なの? 」