とらわれて夏
どうも、椿でございます。
映画『とらわれて夏』を蔦屋さんでDVDを借りて観ました。なのでその感想を。
※ネタバレ注意
あらすじ
「ライ麦畑の迷路を抜けて」などで知られる作家、ジョイス・メイナードの原作を実写化したラブストーリー。ひょんなことから逃亡犯の男性をかくまうことになった女性が、彼と惹(ひ)かれ合った果てに重大な決断をする5日間を見つめていく。監督は『ヤング≒アダルト』などのジェイソン・ライトマン。ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリンら、実力派俳優が結集する。彼らの熱演もさることながら、人生や愛のあり方に深く迫ったドラマも見応え満点。とらわれて夏 - 作品 - Yahoo!映画
- 色っぽい雰囲気のある美しい映画でした。そして終始、色々な感情がやってきます。
- 最初見ていて、アニメ『デュラララ』の登場人である折原臨也が“非日常も3日を過ぎれば日常になる”という様な発言をしていたことを思い出しながら見ていました。あの言葉と合致するなと。
- 逃亡犯であるフランクはアデルとヘンリー親子に迷惑が掛からないように気遣います。2人に食事を作ったり家や車の修繕、野球やパイの作り方を教えたりする。日常の当たり前なことを行う彼の姿は以前からこの家にいた父親の様に馴染んでいました。
ヘンリーの「人と人との間にはリズムがある」という印象的な台詞があるのですが、きっとこの3人はそのリズムがあったんだろうなと思います。
- 情緒不安定な母アデルを献身的に支えてきて、逃亡犯にも協力的な息子ヘンリー。出て行こうとするフランクをアデルとヘンリーが引き止める姿にこの親子の弱さが垣間見た気がします。
ヘンリーは母アデルとフランクが男女の仲になっていく過程を見つめ、母に見捨てられるのではないかと不安に感じる。そういった姿に胸が苦しくなりました。ヘンリー役の子がダニエル・ラドクリフの子供の頃に似ている印象。
- アデルとフランクの間には匂わせる程度で直接な性的接触があったわけではないけど、何か色っぽかったです。フランクが態とアデルを縛ったり、食事を自ら食べさせたりフランクがアデルとヘンリーにパイ作りを指南する場面とか。
(⤴︎気付いたら母と逃亡犯がこんな感じでパイを作っているんです。しかも息子が正面で見ている。)
この場面のヘンリーの心境が気になります。
パイが焼けていく過程が美しかったです。それだけでなく木漏れ日とか最後のシーンにあるススキの道とか映像が綺麗だったのも印象的。
ケイト・ウィンスレットが美しかったです。不幸な女性が映える。色気があるけど下品に感じさせない女優さんって素敵だと思う。アデルという女性は基本的に弱い人間です。良くも悪くも人に影響を受けやすい人。だから辛い経験から上手く生きることが出来なくなった。その過程を知り、影響を受けやすい分、一途な人なんだと思えました。そういう人だからヘンリーは母を支えていたのだろうし、フランクも彼女に対して、
「刑があと20年増えてもいい、あと3日君と過ごせたら」
というこの映画で最も印象的な台詞を引き出したのだと思います。
「刑があと20年増えてもいい、あと3日君と過ごせたら」
というこの映画で最も印象的な台詞を引き出したのだと思います。
- 最初、フランクとアデルの恋愛は非日常から生じる吊り橋理論の様なものなのか分からない所がありました。長く服役していたフランクは自分で壊した結果ではあるけれど失った時間や自分にとってありえたかもしれない幸福な家庭を疑似的に取り戻している様に感じていました。しかし、話が進むにつれて物理的に監獄にいたフランクと精神的に監獄にいたと語るアデルは似た者同士でもあるのだと気付きました。5日という短い時間で精神的な繋がりを強めていったんだな、と。最後に2人に救いがあったことで私はこの映画が好きになりました。