恋文。

どうも、今晩は。診断メーカーに「愛読書は『NKJ ver.New Testamentとロランの歌(未読)とフランシス・ジャム詩集全集とマリア様が見てる(未読?)と聖アレクシス伝(未読)と夏のあらし!』です。」と診断された椿です。全部知らない! http://shindanmaker.com/204992

 

先日、NHK/BS(プレミアム)で再放送されていた『恋文の世紀~あの人にこんな恋があった~』を見ました。
【内容】

歌手エディット・ピアフ、歌人・斎藤茂吉レーガン元アメリカ大統領など、古今東西の著名人の書いた手紙を紹介し、そこに込められた愛の秘密や人間の真実の姿を探る。(https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20131017-10-25277

この番組が思いのほか面白かったです。特にレーガン大統領が奥様に送った幾つもの手紙が素敵でした。
この番組の影響もあって、現在往復書簡ブーム(?)です。

小島信夫著『書簡文学論』と中条省平著『恋愛書簡術―古今東西の文豪に学ぶテクニック講座』を読んだので感想を書こうと思います。

書簡文学論 (水声文庫)

書簡文学論 (水声文庫)

 

 書簡集を文学と捉えて論じられた一冊です。
個人的に『パミラ』や『クラリッサ』など登場する幾つもの書簡体小説を実際に読んだ後にもう一度読んでみたいと思いました。自論が形成されていない状態で読み始めたので反論も共感も出来ないのは勿体無いと感じました。
現代では森見富美彦著『恋文の技術』のような書簡体小説はあってもフィクションのみばかりだと思っていましたが、『チャリング・クロス街84番地—書物を愛する人のための本』や『菅野満子の手紙』のような実際にやり取りがなされた(もしくはなされたであろう)手紙を基にした本があることに驚きました。
あと、56歳のゲーテと若い人妻の不倫エピソードに笑いました。 

恋愛書簡術 - 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座

恋愛書簡術 - 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座

 

 こちらは文章がライトで読みやすかったです。結読み終わった後に著者の中条省平さんが学習院大学の教授だと知り、驚きました。構過激な性描写もあって結構周りの視線を気にしつつ読みました。
谷崎潤一郎と渡辺千萬子の章での谷崎の千萬子への貢ぎっぷりに失笑しました。しかし谷崎作品の主人公たちと重なっている様にも感じたので結構自身を投影していたのだな、と思いました。
ユゴーレ・ミゼラブルの著者)とその女たちのエピソードがほとんど昼ドラでした。あと、ユゴーとジュリエット(愛人その1)が結ばれた日が『レ・ミゼラブル』のコゼットとマリユスの結婚式と同じというエピソードが乙女な感じで好きです。
破綻するカップルの数の多さに唖然としましたが、恋文のルールみたいなものが書かれたりしていて面白かったです。

 

この2冊には共に“アベラールとエロイーズ”が登場しました。このカップルは断片的なことは知っていましたが今回詳細を知り、益々往復書簡というものに興味を覚えました。論ずる内容が全く違っていて非常に面白かったです