ひとり寺山修司映画祭。

日本映画チャンネルの岩井俊二監督のマイリトル映画祭で寺山修司の特集を見て興味を持ち、蔦谷で二本の映画を借りてきました。
最初は『無頼漢』

無頼漢 [DVD]

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寺山修司は脚本を担当。
主演は仲代達矢、ヒロインは岩下志麻仲代達矢は感情の起伏が激しい遊び人の役で時々テレビのインタビューを見かけると穏やかな方の印象があったので真逆な感じが面白かったです。
岩下志麻の花魁姿が美しくて『悪霊島』でもそうでしたが非常に魅力的でした。
娯楽作品で時代劇だけど百鬼夜行決起のシーンなどが当時の若者たちの姿を写しているようでした。
それと丹波哲郎の口上が格好よかったです。

次は『書を捨てよ町へ出よう』


寺山修司監督作品。
尖っているというかカオスな作品。
力のない人々の無力感というのか排他的で息苦しい作品。
動物の殺害や薬、レイプなどの残酷なシーンに目を覆いたくなってしまった。
少なからず持つ人と持たざる人がいるというのはいつの世の中にも変わらず存在するんだなと思いました。
『無頼漢』もそうでしたが子が母を捨ててしまうシーンがあって、そんなことをしても寧ろそんなことをしてしまっては二度と親子の縁が複雑な形に囚われてしまうだろうに。
映画の中の家族の姿に自分の幸せを噛みしめるなんて狡いのでしょうか。
『あなたは悲劇的ですか喜劇的ですか』という質問が印象的でした。
こんなにもキラキラしていない映画は初めてだ。
あと、美輪明宏が強烈でした。これからバイトなのに思い出しちゃいそう。