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秘密。

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 人を追いかけていた。その人はトンネルに入り込んだ。僕は後を追いかけようとした。
「その秘密を無理やり暴き立てるというのなら、このトンネルを抜けなさい」
 追いかけようとした僕の後ろから女の声がした。

「でも、覚えておいて。そのトンネルを抜けて、暴き立てた秘密の正体を知ったあなたが後悔したとしても誰も同情なんてしないわ。暴き立てたあなたが悪いのだから」

 女の言葉なんて耳から通り過ぎていくばかりだった。どんどん、その人との距離が広がっていく。僕は追いかけなければと気持ちばかりが急いでいた。

 僕は女を無視してトンネルに入り込んだ。

「此処は天国の出口、そして地獄の入り口」

 女の最後の呟きに僕は思わず再び後ろを振り返る。女は微笑んでいたけれど、その微笑みが本当に微笑みであるのかを僕には分からなかった。